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行動調査

謎の「赤い封筒」調査

背景

依頼者である50代の男性Kさんは、中堅企業の経営者である。ある日、自宅ポストに赤い封筒が投函されていることに気づいた。封筒には差出人の記載がなく、中には「あなたの秘密を知っている」という手書きの一文だけが書かれていた。具体的な内容や要求は記載されていなかったが、Kさんはこの文面に強い不安を覚えた。

同じ赤い封筒は、それから1週間ごとに計3回届き、文面の内容も少しずつ具体的になっていった。最後の封筒には「行動を改めなければ、全てが明るみに出る」と書かれており、脅迫の色合いが濃くなっていた。しかし、Kさんは身に覚えのあるような重大な秘密は特にないと主張。誰が何のためにこのようなことをしているのか全く見当がつかず、探偵事務所に調査を依頼した。

調査計画

このケースでは、以下の3つの調査を柱とした:

1.封筒の物理的分析

・封筒や紙に残された指紋や痕跡を確認。

・手書き文字の特徴を分析し、筆跡の癖やパターンを特定する。

2.ポスト周辺の監視

・赤い封筒が投函される時間帯を割り出し、犯人が現れる瞬間を記録する。

・監視カメラの設置や張り込みによる実地調査を実施。

3.依頼者の周囲環境の調査

・依頼者が気づいていない可能性のある過去の人間関係やトラブルを洗い出す。

・職場やプライベートで何らかの恨みや敵意を持つ人物を特定する。

調査開始

1日目:封筒の物理的分析

まず、依頼者が保管していた3通の赤い封筒を詳しく調査した。封筒は市販品で特に珍しいものではなく、誰でも入手可能なタイプだった。しかし、封筒や紙には微妙な指紋の痕跡が残されており、それを特殊な粉末で浮かび上がらせたところ、同一人物のものと思われる指紋が複数確認された。

手書き文字については、筆圧が非常に強いことが判明。文面に微妙な癖が見られ、特定の書き方の傾向が確認された。さらに、文字の一部には黒インクの滲みがあり、特定のペンの種類が使用されている可能性が高いことが分かった。

3日目:ポスト周辺の監視

赤い封筒が届く曜日と時間帯に注目し、自宅周辺に複数の小型カメラを設置。さらに、探偵チームが交代制で張り込みを行った。調査を開始して3日目の深夜、ついに怪しい人物がポストに封筒を投函する姿が映像に記録された。その人物はフード付きのパーカーを着用し、顔を隠していたが、体格や仕草から中年男性であることが分かった。

1週間後:追跡調査

同じ時間帯に再び現れることを期待し、さらに調査を継続した結果、同じ人物が赤い封筒を持って現れる瞬間を確認。このとき、探偵が尾行を開始し、その人物が市内の古いアパートに戻るところを特定した。アパートの住所を基に住人情報を調査したところ、犯人がKさんの元部下であるTさんであることが判明した。

調査結果とその後の対応

調査の結果、以下のことが判明した:

•Tさんは5年前にKさんの会社を不正経理が原因で解雇されていた。

•解雇後、Tさんは転職に失敗し続け、金銭的にも生活的にも困窮していた。

•TさんはKさんに対して強い逆恨みを抱いており、「赤い封筒」を送りつけることで精神的に追い詰めようとした。

また、封筒に書かれていた「秘密」とはTさんが捏造したもので、具体的な証拠や根拠は存在しなかった。彼の狙いは、Kさんを心理的に動揺させ、最終的には金銭を脅し取ることだった。

調査結果を依頼者に報告した後、Kさんは弁護士を通じてTさんに接触し、脅迫行為を止めるよう警告。最終的にTさんは自身の行為を認め、二度とKさんに接触しないことを約束した。

依頼者の感想

Kさんは「自分の生活を脅かしていた不安が晴れた」と安堵しながらも、元部下にそこまで恨まれていたことにショックを受けていた。今回の件を機に、過去のトラブルや人間関係を見直し、今後はより慎重に行動することを決意した。

探偵の見解

このケースは、一見具体的な犯罪行為が絡んでいないように見えながらも、依頼者の精神的な安定を脅かす巧妙な心理的攻撃が行われていた。調査のポイントは、犯人の意図や背景を深く掘り下げ、依頼者の生活に潜むリスクを明らかにすることだった。

また、封筒という物理的な証拠を手掛かりにしながら、最終的に監視と尾行で犯人を特定するという、複数の手法を組み合わせた調査が成功の鍵となった。このようなケースでは、依頼者が早期に相談したことが事態の早期解決につながったといえるだろう。

この調査は、物理的証拠と心理的要素の両方が絡む「謎解き」のような側面が強く、探偵にとっても挑戦的な案件であった。

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