売上を作ってくれる営業マンが!-裏で金を抜いていた!
こんにちは。全国対応の【総合探偵事務所GriT’s】です。
自動車産業の街として知られる愛知県豊田市。 大手完成車メーカーを頂点に、無数のサプライヤーが連なるこの街で、 ある中堅部品メーカーが深刻な内部不正に直面した。 発覚のきっかけは、取引先からの一通の内部告発メールだった。
■ 舞台となった企業と問題の発端
豊田市内に本社を構えるA社は、 自動車用プレス部品の製造・販売を手がける従業員80名の中堅メーカーだ。 創業30年を超える老舗企業で、地域の雇用を支える存在として知られていた。
社長(60代男性)がその異変を知ったのは、 ある春の午後のことだった。
取引先のB社(自動車部品商社)の経営者から、 個人アドレス宛に一通のメールが届いた。
「御社の営業担当の件で、お伝えしたいことがあります。 直接お会いできますか。会社のメールではなく、この番号へご連絡ください」
社長は胸騒ぎを覚えながら、その番号へ電話した。 B社の経営者が語った内容は、 想像をはるかに超えるものだった。
■ 問題の中途社員|「即戦力として招いた男」
問題の社員(40代男性)は、 3年前に中途採用で入社した営業職だった。
前職は大阪市内の機械商社で、 10年以上の営業経験を持つ、いわゆる「即戦力」として採用された。
採用面接では、
- 業界での豊富な人脈
- 大手取引先の開拓実績
- 高い交渉力とコミュニケーション能力
をアピールし、 採用担当者を唸らせた。
入社後の実績も申し分なかった。 入社1年目から新規取引先を複数獲得し、 2年目には社内の営業成績トップに立った。
「よくあれだけの人材が来てくれた。うちの会社にとって、本当にありがたかった」
社長はそう話していた。
しかし、B社の経営者から告げられた内容は、 その「優秀な営業マン」の全く別の顔だった。
■ 告発の内容|「値引きと引き換えに、現金を要求していた」
B社の経営者が語ったのは、 以下のような事実だった。
「御社の担当者から、半年ほど前に話を持ちかけられました。 『うちの会社に発注してくれれば、通常より5%値引きできる。 ただし、その5%分の半分を、個人的に現金で渡してほしい』という内容でした」
つまり、 A社が設定した価格から5%値引きして取引を成立させる代わりに、 その値引き分の半分(約2.5%)を 個人的な現金として受け取るという手口だ。
「最初はどういうことか分からなかった。でも、他の取引先にも同じことをしているという話を聞いて、これはおかしいと思って連絡しました」
B社の経営者は、 社内での混乱を恐れ、 個人的に告発することを選んだという。
■ 調査の依頼|「信じたくないが、確かめなければならない」
告発の内容を聞いた社長は、 顧問弁護士に相談した後、 当社へ調査を依頼した。
「あの男がそんなことをしているとは、信じたくない。 でも、取引先からの告発を無視するわけにもいかない。 まず事実を確認したい」
調査の依頼内容は、以下の通りだった。
- 問題の社員の日常的な行動の把握
- 取引先との個人的な金銭授受の実態確認
- 他の取引先への同様の働きかけの有無
- 横領・リベートの規模と全体像の把握
■ 調査開始|「営業マンの動きを追う」
問題の社員の行動確認を開始した。
彼の営業スタイルは、 外回り中心の直行直帰が多い。 行動の把握が難しい典型的なパターンだ。
調査初日から、 注目すべき行動が確認された。
午前中に取引先C社を訪問した後、 彼は会社へは戻らず、 豊田市内のファミリーレストランへ向かった。
そこで待っていたのは、 C社の購買担当者とみられる男性だった。
二人は30分ほど話し合い、 ファミリーレストランを出た後、 周辺の駐車場で封筒の受け渡しとみられる行動が確認された。
■ 調査の進展|「複数の取引先で同じ手口」
調査を継続すると、 同様のパターンが複数の取引先との間で確認された。
- 訪問後に第三者的な場所での接触
- 現金とみられる封筒の受け渡し
- 取引先の担当者個人との個別の関係構築
さらに、 彼の私生活の実態も明らかになった。
- 月収に対して明らかに豊かな生活ぶり
- 高級外車の購入(ローンではなく現金一括とみられる)
- 豊田市内の高級マンションへの引っ越し(入社2年目)
- 頻繁な高級飲食店での会食
「営業マンとしての収入だけでは、到底説明がつかない生活水準だった」
■ 横領の全容|「3年間で積み重なった金額」
調査と並行して、 A社の過去3年分の取引記録を精査した。
- リベートを受け取っていたとみられる取引先:8社
- 各社から受け取っていたリベートの推計額:月平均10万から30万円
- 3年間の推計総額:1500万円以上
「売上を作りながら、その裏で取引先から個人的に現金を受け取っていた。 表の顔と裏の顔が、これほど乖離していたとは」
■ 社内調査と本人への対応
弁護士を交えた社内調査を実施した後、 本人との面談が行われた。
最初、問題の社員は強く否定した。
「そんな事実はありません。取引先からの誹謗中傷ではないですか」
しかし、 具体的な日付・場所・取引先名・金額を示す証拠を次々と提示すると、 表情が徐々に変わっていった。
長い沈黙の後、
「…分かりました。全部話します」
と認めた。
横領の動機について、 本人はこう話した。
「前の会社でもやっていた。業界では珍しくないと思っていた。 最初は少額だったが、うまくいくと欲が出た。 この会社に移っても、同じことを続けた」
つまり、 前職から引き継いだ手口だったのだ。
■ 採用時のリスクが浮き彫りに|「即戦力採用の死角」
この事案が示す最大の教訓は、 中途採用における「即戦力」への過信だ。
即戦力として採用された中途社員には、 前職での慣習・習慣をそのまま持ち込むリスクがある。
- 前職での不正行為をそのまま継続するケース
- 前職で培った「業界の慣習」として不正を正当化するケース
- 採用時の華やかな実績が、不正によって作られたものである可能性
「採用面接で確認できることには限界がある。 前職での行動実態を、もっと詳しく確認すべきだった」
と社長は振り返った。
■ 法的対応と再発防止
弁護士と連携した結果、
- 即日解雇・刑事告訴(業務上横領)
- 民事での損害賠償請求(推計被害額の全額)
- 取引先8社への状況説明と関係修復
- 営業活動の管理体制の抜本的な見直し
が進められた。
再発防止策として、
- 取引先への定期的な「担当者に関するアンケート」の実施
- 営業担当者の値引き権限の上限設定と複数承認制の導入
- 外部の内部監査法人による定期的な取引の抜き打ち確認
- 中途採用者の採用前リファレンスチェック(前職での評判の確認)の徹底
が整備された。
■ 取引先との関係修復|「告発してくれたB社への感謝」
社長が後に強調したのは、 B社への感謝だった。
「告発してくれたB社の経営者がいなければ、もっと長く続いていた。 リスクを犯して教えてくれたことへの感謝を、どう伝えればいいか」
B社との取引は、 この事案を経てむしろ深まった。
「本当のことを言ってくれる取引先が、本当のパートナーだと分かった」
■ 豊田市という舞台|「サプライチェーンの複雑さが生むリスク」
豊田市の自動車産業は、 複雑なサプライチェーンによって成り立っている。
完成車メーカー→一次サプライヤー→二次サプライヤー→三次サプライヤー という多層構造の中では、
- 担当者間の個人的な関係が取引の鍵を握ることがある
- 価格交渉の裁量が担当者個人に委ねられやすい
- 業界特有の「慣習」として不正が見過ごされやすい
という環境的なリスクがある。
「業界の慣習だから仕方ない、という意識を変えなければ、 同じことが繰り返される」
社長の言葉は、 業界全体への警鐘でもあった。
■ まとめ
→ 「即戦力」として採用した中途社員が、前職の不正手口を持ち込むリスクがあります。
→ 値引き交渉の裁量を担当者個人に委ねすぎることは、横領の温床になります。
→ 取引先からの「異変の告発」は、どんな小さなものでも真剣に受け止めてください。
→ 採用前のリファレンスチェック(前職での評判確認)が、中途採用のリスクを下げます。
→ 「あの社員に限って」という信頼が、確認の機会を奪います。まずはご相談ください。
大阪・京都・兵庫・奈良・和歌山など関西全域、愛知・岐阜・三重・静岡など東海全域で対応可能です。まずは無料相談からお気軽にご相談ください。私たち総合探偵事務所GriT’sは、ご相談者様の気持ちに寄り添い、安心できる未来のために全力でサポートいたします。
