人探し

こんにちは、総合探偵事務所GriT’sです。
今回は、実際にご依頼いただいた浮気調査の一例をご紹介いたします。※個人情報保護のため、一部内容を変更しております。
【調査実話】「ただ、元気でいてくれたらそれでよかったんです」
──あの人にもう一度だけ会いたかった
大阪府狭山市在住 42歳女性
「何かを取り戻したいわけじゃないんです。
ただ、“あの頃ありがとう”って、言いたかっただけで」
そう話した彼女の声は、どこか遠くを見つめるように静かで、優しかった。
■ 依頼に来られたのは、春の雨の日でした。
依頼者は42歳の女性、都内在住。現在は独身で会社勤めをされている方でした。
淡いグレーのコートに、落ち着いたトーンの声。
けれど、話を始めると、時折言葉を止めながらも、まっすぐに胸の内を語ってくださいました。
「大学時代に付き合っていた人がいたんです。
もう20年くらい会っていなくて…別れてから一度も連絡を取っていないんですけど、
最近なぜか、ふっと思い出すことが増えてしまって」
スマホでSNSを探しても、何の手がかりも出てこない。
共通の友人にも連絡はつかず、「もう今どこで、どんなふうに暮らしているのかもわからない」。
それでも、「もし今もどこかで元気にしているのなら、それだけでも知りたい」と。
■ 限られた情報からの出発
ご依頼者が覚えていたのは、
・彼のフルネーム(当時の)
・出身大学
・学生時代のバイト先
・たまに話していた“地元の話”
それだけでした。
調査は慎重に、そして静かに進められました。
過去の住所や就職先の記録、旧友のつながりなどから、少しずつ現在の情報をたどっていきます。
そして、ついに判明した現在の所在。
彼は今、地方都市で働きながら、一人暮らしをしているとのこと。独身で、SNSには一切姿を見せていませんでした。
■ 再会の場で、彼女は何も責めなかった
探偵を通じて、彼に“元交際相手が再会を望んでいる”旨を伝えたところ、数日後、意外な返答が返ってきました。
「…驚いたけど、僕も、時々彼女のことを思い出していました。会ってみたいです」
その言葉に、彼女は小さく息をのみ、そっと目元を押さえました。
そして迎えた再会の日。
待ち合わせ場所は、静かな駅近くの喫茶店。
彼がドアを開けて入ってきたとき、彼女は思わず笑って言いました。
「全然、変わってない。髪は短くなってるけど、声はそのまま」
ふたりは、ゆっくりと、学生時代に戻るように話し始めました。
懐かしい店の話、卒業旅行の話、お互いの今のこと。
「20年も経ってるのに、不思議ですね。まるで昨日のことみたいに話せるなんて」
最後に、彼女はこう言いました。
「あなたと出会えて、本当によかった。
ちゃんとお礼が言えて、よかったです」
■ それは、過去に区切りをつける優しい再会だった
ふたりは、その後特に連絡を取り合うことはありませんでした。
でも、お互いの人生にとって、「あの日の再会」は確かな温度を残したようでした。
ご依頼者様は、帰り際にこう言ってくださいました。
「これで、やっと次に進める気がします。
“あの人どうしてるかな”って考えなくてもいいようになったから。
会えてよかった、本当に」
■ 探偵として、心から思うこと
人探しは、過去を暴くためのものではありません。
誰かの心にずっと残っている“ひとつの想い”に、そっと区切りをつけるためのものです。
再会して、新たな関係が始まることもあれば、
たった一言だけを交わして、静かに終わることもあります。
けれどどんな結末でも、
「想いを行動に変えた」その一歩は、きっとその人の人生に意味をもたらします。