人探し

突然失踪した父の行方を追って
依頼内容:10年前に失踪した父を探したい
依頼者のSさん(30代・男性)は、10年前に突然家を出たまま戻らなくなった父(当時50代)の行方を探したいという依頼で、当探偵事務所に相談に来られました。
Sさんの父・Tさんは真面目で働き者の性格で、家族にも優しく、特に問題を抱えている様子はなかったといいます。しかし、ある日「少し散歩に行ってくる」と言って家を出たまま、帰ってくることはありませんでした。
家族は警察に捜索願を出しましたが、特に事件性がないとして本格的な捜査は行われず、手がかりがないまま時間が過ぎてしまいました。
最初の数年は、家族で探したり、知人に聞き込みをしたりしましたが、何の情報も得られず、次第に「もうどこかで亡くなってしまったのではないか」と諦めかけていました。しかし、最近になってSさんの母親が病気で入院し、「お父さんにもう一度会いたい」と口にするようになり、改めて探す決意をされました。
調査開始:10年の空白を埋める手がかり探し
Sさんから提供された情報は以下の通りでした。
•父の フルネーム・生年月日
•失踪前の 職業(工場勤務)
•最後に家を出た時の服装
•失踪当時の 交友関係(特に親しい友人はおらず、趣味は釣り)
10年という長い年月が経過しており、通常の行方調査よりも困難が予想されましたが、可能な限りの手段を使って捜索を開始しました。
手がかりを追うための調査方法
1.住民票・戸籍の調査
•役所での記録を確認し、転居や死亡届の提出がないかを調査。
2.失踪直後の行動の確認
•近所の防犯カメラの記録や、当時の目撃情報を収集。
3.金融機関の調査
•失踪前後に銀行口座が使用されているかを確認。
4.公共施設・支援団体への聞き込み
•失踪者が利用する可能性がある福祉施設や、無料宿泊所などでの情報収集。
5.SNS・インターネット検索
•父の名前や関連情報がネット上に残っていないかを調査。
ついに発見された父の消息
調査を進める中で、父の名前が2年前にある県の簡易宿泊所の登録名簿に記載されていたことが判明しました。その地域を重点的に捜索し、周辺の福祉施設や炊き出しを行っている団体に情報提供を依頼したところ、「似たような人物が数年前まで生活していたが、今は別の場所へ移動した可能性がある」との証言を得ました。
さらに調査を続けるうちに、現在も同じ県内の施設に滞在している可能性が浮上しました。その施設を訪問し、職員に確認したところ、「確かに数年前からここに住んでいるTさんという方がいる」との情報を得ることができました。
実際に本人に会いに行くと、間違いなくSさんの父・Tさんでした。
再会とその後の展開
Tさんは最初、突然の訪問に驚いた様子でした。しかし、Sさんが「母さんが、どうしてもお父さんに会いたいと言ってるんだ」と話すと、しばらく沈黙した後、小さな声で「…ずっと、帰れなかった」とつぶやきました。
話を聞くと、Tさんは失踪当時、仕事や家族のことに強いプレッシャーを感じており、「このまま家にいたら自分が家族に迷惑をかけてしまう」と思い込み、衝動的に家を出てしまったとのことでした。その後、遠くへ移動し、身分証を持たずに生活するうちに、身寄りがない人々が集まる施設へ流れ着き、そこで細々と暮らしていたということでした。
Tさんは「ずっと家族のことが頭から離れなかったが、今さら帰る資格がないと思っていた」と涙を流しながら話しました。
Sさんは「母さんはずっとお父さんのことを待ってた。帰ってきてほしい」と伝えました。Tさんはしばらく考えた後、「もう一度家族と向き合う」と決意し、Sさんと一緒に家へ戻ることになりました。
母親と再会したTさんは、長年の後悔を涙ながらに語り、家族は再び絆を取り戻すことができました。
探偵事務所からのメッセージ
「突然いなくなった家族を探したい」
「昔の友人や恩人にもう一度会いたい」
「生き別れた親族の消息を知りたい」
そんな願いを持つ方は少なくありません。しかし、個人での捜索には限界があり、年月が経つほど手がかりをつかむのが難しくなります。
当探偵事務所では、ご依頼者様の想いに寄り添いながら、最新の調査技術を活用し、大切な人を見つけるお手伝いをいたします。
「もう遅いかもしれない」と諦める前に、ぜひ一度ご相談ください。
きっと、新たな一歩を踏み出すきっかけになるはずです。