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企業調査

新規取引先の信用調査

依頼者プロフィール

依頼者:50代男性、中堅企業の社長

事業内容:建材の製造および販売

従業員数:約80名

依頼内容と背景

依頼者の会社は、新しい市場への進出を目指して建築資材の取引先を拡大する計画を立てていた。その過程で、展示会を通じて知り合ったB社が、新商品の共同開発と大量発注を持ちかけてきた。B社は設立3年目のベンチャー企業だが、取引先として大手企業名を挙げ、高い技術力と販売力をアピールしていた。

しかし、以下の点に不安を感じ、調査を依頼することとなった。

1.B社の代表者が過去の経歴をぼかしている。

2.契約締結を急がせる一方で、具体的な資金計画や業績を開示しない。

3.会社所在地や社員数について、話に一貫性がない。

依頼者は、「初期投資が大きく、失敗すれば会社に多大な損害を与えるリスクがある」として、取引前にB社の信用調査を希望した。

調査目的

•B社の実態(事業内容、従業員、取引履歴など)を明確にする。

•財務状況や資金繰りに問題がないかを確認する。

•代表者および会社の過去に法的トラブルがないかを調べる。

調査の流れ

1. 基礎情報の収集

まず、商業登記簿、官報、信用調査機関のデータ、インターネット上の公開情報などを用いて、B社の基本情報を調査した。

•会社概要: 設立3年目。従業員数は10名と記載されているが、実際の活動内容が曖昧。

•所在地: 本社住所として登録されている場所はオフィスビルの一室だが、他社と共有するレンタルオフィスだった。

•財務状況: 公開された決算書では直近2期連続で赤字。また、負債額が資産額を上回っており、経営が不安定な状態であることが判明。

2. 現地調査(訪問および周辺の聞き取り)

次に、B社の所在地や営業拠点を直接訪問し、会社の実態を確認した。

•本社オフィス: 登記上の住所を訪問したところ、建物内にはB社の看板がなく、現地スタッフに聞き込みを行った結果、B社の代表者が週に1回程度訪れるだけで、日常的な業務はほとんど行われていないことが判明。

•「自社工場」: B社が所有していると主張していた製造施設を調査したところ、実際には他社からのレンタルであり、製品の製造も外注されていた。

また、近隣の事業者や物流業者に聞き込みを行った結果、実際の取引量はごくわずかであることが分かった。

3. 取引実績の確認

B社が「過去に取引実績がある」と主張していた大手企業数社に対して、可能な範囲で情報を収集した。

•結果: B社が大手企業の名前を挙げていたが、実際には一度きりの小口取引であり、継続的な契約関係にはなかった。さらに、大手企業の担当者は「支払いが遅れたため契約を打ち切った」と証言。

4. 代表者の背景調査

B社の代表者についても過去の経歴を詳細に調べた結果、以下の問題が明らかになった。

•倒産歴: 代表者は以前に別の会社を経営していたが、資金繰りの悪化で倒産しており、当時の取引先から未払い金を巡る訴訟を起こされていた。

•過去の評判: 元従業員のSNS投稿や口コミから、代表者は金銭管理が杜撰であり、従業員への給与未払いも複数回あったことが判明した。

調査結果と依頼者への報告

調査の結果、以下の事実を依頼者に報告した。

1.B社の経営実態: 実績や規模のアピールは誇張されており、実際の経営状況は不安定である。

2.財務リスク: 負債過多のため、依頼者側が契約を進めた場合、支払いトラブルや納品遅延のリスクが高い。

3.代表者の信頼性: 過去の倒産歴や未払いトラブルがあることから、取引の継続性に疑問がある。

依頼者のその後の対応

依頼者は調査結果を受け、B社との契約を見送る決断をした。さらに、信頼できる別の取引先を慎重に選定するための方針を固め、事前に調査を実施することで、経営リスクの回避に成功した。

調査のポイント

1.多角的な情報収集: 公開情報、現地調査、聞き込みを組み合わせることで、企業の実態を正確に把握。

2.法的リスクの確認: 財務状況や代表者の過去のトラブルを明らかにし、取引先の信頼性を評価。

3.依頼者の経営判断を支援: 客観的かつ詳細な調査報告書を提供し、経営判断をサポート。

この事例は、企業調査が単に事実を明らかにするだけでなく、依頼者の将来的な経営リスクを回避する重要な役割を果たすことを示しています。

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