30年勤めた番頭格の社員-抜き続けていた会社の金
こんにちは。全国対応の【総合探偵事務所GriT’s】です。
兵庫県赤穂市。 忠臣蔵の舞台として知られ、 塩の産地としても歴史を持つこの城下町で、 老舗の食品加工会社の代表(60代男性)が 当社へ依頼に来たのは、 決算期の終わりを迎えた春のことだった。
「税理士に言われました。数字がどこかで漏れている、と」
■ 舞台となった企業|「赤穂の塩を使った食品メーカー」
S社は、 赤穂の天然塩を使った漬物・加工食品の製造・販売を手がける、 創業55年の老舗企業だ。
地元スーパーへの納品・道の駅での直販・ 通販サイトでの全国発送を手がける、 従業員20名の家族経営に近い中小企業だった。
■ 問題の人物|「30年間、会社を支えた番頭格」
問題の社員(50代男性)は、 S社に30年以上勤めるベテランだった。
- 製造・販売・経理の全てに精通した「何でも屋」
- 創業者の先代社長の時代から仕えており、現社長にとっては兄のような存在
- 「あの人がいなければ会社は回らない」と言われるほどの存在感
「疑いたくなかった。でも、税理士が気になると言う以上、確認しないわけにいかなかった」
■ 横領の手口|「少額を、長期間、複数のルートから」
調査と帳簿分析の結果、 横領の手口が明らかになった。
手口①:直売所の現金売上の一部着服 道の駅での販売は、彼が一人で管理することが多かった。 現金売上の一部をレジに通さず着服していた。
手口②:仕入れ業者への架空発注 実際には納品のない副資材を「発注済み」として処理し、 差額を個人口座へ誘導していた。
手口③:交際費の水増し申請 取引先への「接待費」として、 実際より高い金額を申請していた。
「三つの手口を使い分けることで、一つひとつの金額を小さく見せ、発見を遅らせていた」
■ 横領の総額と本人の反応
帳簿を遡って分析した結果、
- 横領の推定開始時期:約10年前
- 月平均の横領額:約15万円
- 推計総額:約1800万円
証拠を提示された時、 本人はしばらく下を向いた後、
「分かりました。全部話します」
と認めた。
「最初は少しだけのつもりだった。でも、10年間誰も気づかなかった。 それがいつの間にか当たり前になってしまった」
■ 社長の言葉|「30年間の信頼が、音を立てて崩れた」
「30年間、この人を信じてきた。先代もこの人を頼りにしていた。 でも、信頼と管理は別のものだった。 それを今更、こういう形で知ることになるとは」
弁護士と連携し、 全額返済を求める示談交渉・懲戒解雇の手続きが進められた。
■ 再発防止策
- 現金売上の毎日の複数人確認体制の導入
- 発注・支払いの承認を社長が直接確認する仕組みの整備
- 外部の税理士による月次の帳簿チェックの強化
- 「一人に全てを任せない」という経営原則の徹底
■ まとめ
→ 「あの人に限って」という信頼が、長期横領を可能にします。信頼と管理は両立できます。
→ 少額を複数のルートから長期間抜き取る手口は、発見が最も困難なパターンです。
→ 税理士・外部専門家の「数字が気になる」という指摘を、軽視しないでください。
→ 「一人に全てを任せる」体制は、規模を問わず横領のリスクを高めます。
→ 「数字のどこかがおかしい」と感じた時点で、まずはご相談ください。
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