浮気調査

SNS上の偽装アカウントによる浮気の証拠収集
背景
依頼者のAさん(30代女性)は、結婚5年目の夫Bさんの様子が最近どこかおかしいと感じていた。仕事の帰りが遅くなりがちで、休日もスマートフォンを手放さず、常にSNSやメッセージアプリを見ている様子が目立つようになった。さらに、家で話しかけても上の空で、家族との時間を避けるような行動が増えていた。
ある日、Aさんは夫がインスタグラムで複数の女性アカウントをフォローしていることを偶然発見。中には見知らぬ女性とのやりとりも含まれていたが、夫に直接問い詰めると「ただの知り合いだ」と否定された。しかし、Aさんはその態度に違和感を覚え、真実を確かめるために探偵事務所に相談をした。
調査計画
このケースでは、夫BさんがSNSを通じて不審な行動をしている可能性が高いと考え、以下の調査方針を立てた:
1.SNSアカウントの分析
・Bさんがフォローしている女性アカウントを徹底的に調査し、実在する人物かどうかを確認する。
・メッセージのやり取りが行われている可能性が高いアカウントを特定。
2.接触調査
・偽装アカウントを作成し、Bさんに接触してSNS上での行動パターンを観察する。
・浮気相手の特定や実際のやり取り内容を明らかにする。
3.尾行調査
・Bさんの行動パターンを追跡し、実際に誰かと会っているのか確認する。
・特定の日や時間帯に怪しい動きがないかを重点的に調査。
調査開始
1日目:SNSアカウントの分析
Bさんがフォローしている複数の女性アカウントを調査した結果、その中の一つが特に怪しいことが分かった。このアカウントの投稿は非常に限定的で、フォロワー数も少なく、明らかに偽装アカウントの可能性が高かった。さらに、そのアカウントの投稿にはBさんの「いいね!」やコメントが頻繁に付けられており、親密な関係が示唆された。
探偵はこのアカウントを通じて他の関連アカウントも特定し、浮気相手と思われる女性の実在性を調査した結果、特定の人物が浮かび上がった。
2日目:偽装アカウントによる接触
探偵チームは、Bさんの興味を引きそうな偽装アカウントを作成。女性らしい趣味や投稿内容を工夫して数日間アカウントを育成した後、Bさんのアカウントに接触を図った。Bさんはすぐに偽装アカウントをフォローし、直接メッセージを送ってきた。その内容は「最近何してるの?」というような軽い会話から始まり、徐々にプライベートな話題に進展。
調査が進むにつれ、Bさんが「自分は家庭の事情で悩んでいる」「自由な時間が欲しい」といった発言をし、明らかにプライベートな欲求を満たそうとしている様子が確認された。
3日目:尾行調査
その後、Bさんは偽装アカウントに対して「今度飲みに行こう」と誘いをかけてきたが、これを口実に彼の行動パターンをさらに調べることにした。Bさんはその誘いの後、実際に特定の女性(最初に怪しいと判明したアカウントの人物)と都内のカフェで会う姿が確認された。
カフェでの会話内容を直接録音することはできなかったが、その後二人がホテルに入る姿を探偵が写真に収め、不貞行為の証拠として記録した。
調査結果とその後の対応
調査によって以下の事実が判明した:
•Bさんは複数のSNSアカウントを通じて女性と接触し、不適切な会話を行っていた。
•特定の女性と実際に会い、関係を持った可能性が高いことが確認された。
•偽装アカウントを用いた接触によって、Bさんが浮気を計画している証拠が収集された。
依頼者Aさんは、これらの証拠を基に弁護士に相談し、夫Bさんに対して離婚を視野に入れた話し合いを行うことを決意した。
依頼者の感想
Aさんは「SNSが原因で家庭が壊れることがあるなんて思いもしなかった」と語り、夫の裏の顔を知ることになったことにショックを受けていた。しかし、真実を知ることで新たな一歩を踏み出す決心がつき、今後は子どもたちのためにも強く生きていくと決意を固めたという。
探偵の見解
このケースでは、SNSの利用が浮気の手段として使われる典型的な例が示された。SNS上では本人が直接関わる証拠が残りやすいため、調査において有効な手段となることが多い。しかし、同時に被疑者の注意を引かないよう慎重に進める必要があり、トリッキーかつ計画的なアプローチが求められた。
SNSやデジタルツールを活用した浮気は増加傾向にあるため、今後の調査においてもデジタルフォレンジック技術や心理的な誘導のノウハウがますます重要になると感じられる事例であった。